相続登記義務化について

相続登記の義務化に伴い、相続人は相続登記を行わなければならないようになりました。
この記事では、相続登記の基本情報や手続き、注意点、メリットについて詳しく解説します。

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目次

1. 相続手続きの基礎知識

相続登記とは何か?相続登記の目的や登記に必要な書類について解説します。

相続登記とは、亡くなった人(被相続人)の不動産を、相続人の名義に変更することをいいます。

相続登記の目的は、所有権の所在を明確にすることです。

相続登記に必要な書類は、ケースにより異なりますが、一般的には以下の書類が必要となります。

必要書類

登記原因証明情報
  被相続人の戸籍(除籍)謄本(全部事項証明書)
  被相続人の住民票除票または戸籍の附票
  相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)
・相続人全員の住民票
・固定資産評価額証明書
・代理権限証書
・相続関係説明図

また、相続登記は、遺言書や法定相続分のとおりにする場合を除いて、遺産分割協議が済んだ後に行う必要があります。
遺言書がある場合は遺言書を、遺産分割協議後に登記をする場合は遺産分割協議書と相続人全員分の印鑑証明書を添付する必要があります。

2. 相続登記の義務化について

相続登記が義務化された背景や、法律改正による変更点について詳しく説明します。

相続登記は現在は任意ですが、令和6年4月1日から義務化されます。
相続登記が義務化される理由は、所有者不明土地を解消するためと言われています。
法務局:あなたと家族をつなぐ相続登記 ~相続登記・遺産分割を進めましょう~

相続登記義務化の内容は、以下の通りです。

• 相続開始から3年以内に相続登記をしなければならない。
• 相続登記をしなかった場合は罰則がある(最高で10万円以下の罰金)。

以上が相続登記義務化についての概要です。

遺産分割協議がまとまらない場合等で、3年以内に相続登記をすることが難しい場合は、相続人申告登記制度を使って法務局に申し出ることが必要になります。これによって一時的に相続登記の義務を履行したものとみなされます。ただし、後日、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議の成立後3年以内に登記を行う必要があります。

3. 相続登記の必要性とリスク

相続登記の必要性と登記を行わなかった場合のリスクについて解説します。

相続登記をすることで不動産の所有権の所在が明確になる為、争いを避けることができます。
相続登記を行わなかった場合には、以下のようなリスクがあります。

  1. 法的なトラブルが起こる可能性がある。
    相続登記を行わなかった場合、相続人間や第三者との間で法的なトラブルが起こる可能性があります。例えば、相続人の1人が遺産分割協議で単独で不動産を相続することになった場合であっても、法定相続分を超える部分について、登記を備えていなければ、第三者に対抗することができません。
  2. 遺産分割協議が難しくなる可能性がある。
    時間の経過と共に新たな相続が発生した場合、関係者が増え人間関係が複雑になり、全員で集まっての話し合いが難しくなることがあります。
  3. 不動産が差し押さえられる可能性がある。
    相続人の1人に借金がある場合等に、債権者が相続人の1人の持分を差し押さえをする事があります。1と同様に他の相続人は債権者に対抗する事ができません。

以上のように、相続登記は相続人が不動産を所有する上で非常に重要な手続きです。相続登記を行うことで、相続財産の管理や手続きが円滑に進みます。
相続登記を行わなかった場合には、第三者や相続人間でのトラブルや相続財産の管理や取引がしにくくなる可能性があります。
そのため、相続開始後、できる限り早く相続登記を行う事をお勧めします。

4. 相続登記の手続きの流れ

相続登記の手続きの流れを説明します。

  1. 相続人の確定
    相続登記の最初の手続きは、相続人の確定です。相続人は、法定相続人や遺言によって指定された相続人などがあります。また、遺産分割協議によって決めることもできます。相続人を確定するためには、相続人の戸籍謄本や遺言書などの書類が必要となります。
  2. 相続登記の対象の不動産の確認
    固定資産税の納税通知書で調べる事ができますが、非課税の不動産が記載されていない為、漏れが発生する可能性があります。名寄帳や権利証、固定資産評価証明等を複合的に調査する必要があります。
  3. 必要書類の収集
    「1. 相続手続きの基礎知識」に記載した書類を収集します。相続人が自分で集めることもできますが、漏れなく収集するのは大変な作業です。司法書士に依頼することでスムーズに進める事ができるのでお勧めです。
  4. 登記申請書の提出
    相続人の確定、登記の対象の不動産の確認および申請に必要な書類が揃ったら、法務局へ登記申請書を提出します。登記申請書には、相続人の氏名や住所、登記対象の不動産や添付した書面の情報などを記載します。

以上が、相続登記の手続きの流れになります。手続きに必要な書類や費用を事前に確認し、準備しておくことも重要です。

5. 相続登記の費用について

相続登記にかかる具体的な費用について解説します。

  1. 登録免許税
    相続を原因とする登記申請の場合は「対象不動産の固定資産評価額の1,000分の4(0.4%)」という税率になっています。例えば、評価額が500万円の場合は2万円、2000万円の場合は8万円になります。ただし、免税の対象になる事もあります。法務局:相続登記の登録免許税の免税措置について
  2. 司法書士への報酬
    司法書士へ相続登記を依頼した場合の報酬の相場は5万円〜15万円です。不動産や相続人の数や必要書類の収集・作成の有無によって報酬額が変わってきます。

以上が、相続登記にかかる費用の一例です。
相続登記にかかる費用は、一般的には不動産を承継する人が負担することが多いようですが、相続人の協議によって決めることもできます。

6. 相続登記と遺言書

遺言書がある場合の相続登記の手続きについて解説します。
登記を行う前に遺言書を確認することの重要性についても触れます。

相続手続においては、遺言書が存在するかしないかで手続が大きく異なります。

法定相続分と異なる割合で相続する場合や特定の相続人が相続する場合は、遺言書や遺産分割協議等が必要になります。
遺言書がある場合は、相続人間での遺産分割協議も不要になりますので、早い段階で遺言書の有無を確認しておかなければなりません。
遺産分割協議も終わった後に遺言書が出てきたり、登記申請を行った後に遺言書が発覚すれば、更正あるいは抹消登記が必要になったりと余計なコストがかかってしまうことになるので、早い段階で遺言書の有無を確認しておくことが必要です。

遺言書の有無によって、登記の手続きも異なってくるため、専門家に相談することをおすすめします。

7. 相続登記の手続きをスムーズに進めるために

相続登記をスムーズに進めるためのアドバイスをまとめます。相続人が抱える悩みや疑問に答え、手続きを円滑に進めるためのポイントを提供します。

相続登記は、手続きが複雑であり、登記にかかる費用も高額になるため、相続人にとっては大きな負担となることがあります。しかし、以下のアドバイスに従えば、相続登記をスムーズに進めることができます。

  1. 早めに手続きを始める

相続登記は、手続きが複雑で時間がかかるため、早めに手続きを始めることが大切です。相続人は、相続が確定したらすぐに手続きを始めるようにしましょう。

  1. 書類を早めに用意する

相続登記には、相続人全員の戸籍や住民票など多くの書類が必要です。必要な書類を事前に用意しておくことで、手続きのスムーズな進行につながります。

  1. 専門家に相談する

相続登記は、手続きが複雑であり、専門的な知識が必要な場合があります。相続人は、司法書士などの専門家に相談することで、手続きをスムーズに進めることができます。

  1. 費用の支払い方法を確認する

相続登記には、高額な費用がかかる場合があります。相続人は、費用の支払い方法を事前に確認しておくことが大切です。

以上のように、相続登記をスムーズに進めるためには、早めに手続きを始め、必要な書類をきちんと用意し、専門家に相談し、費用の支払い方法を確認することが大切です。

8. まとめ

相続登記の義務化について、基本情報や手続き、注意点、メリットについて解説しました。
今後、相続登記を行う際にはこの記事を参考にして手続きを進めてください。

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